帯状疱疹後の神経痛

肋骨に沿った耐え難い痛み

【臨床的特徴】

 

80代の女性が肋骨に沿うような、 背中から腋の下、胸へと広がる痛みを訴えている。1ヶ月ほど前に片側の肋骨に沿った帯状疱疹が現れ、医療機関で治療を受けることで水疱自体は消失したが、痛みだけは消えないままでいる。その後ペインクリニックで鎮痛の治療を受けているが、痛みの程度や範囲は変わらない。そして何より、ブロック注射が痛くて切ないと漏らしている。
  痛みは、起床時や寒冷にさらされた時、そして衣服が擦れるときにヒリヒリと、それはとても耐え難いものであるために、何もしたくなくなるほどに気力が失せてしまう。

【介入と結果】

  クライアントは痛みのためか、腕を抱え込むように背中を丸めた姿勢をとっている。痛みを訴える部位には帯状疱疹後の瘢痕が確認できた。痛みを起こしている分節に加え、頚椎と骨盤にカイロ治療は行われた。
  1回目の治療の翌日は痛みなく起床することができたが、すぐに痛みがぶり返してきた。3回目の治療後は、痛みは随分と軽くなり、連日寒い日が続いたにもかかわらず、痛みはあまり気にならず、日常生活の活動が妨げられるようなことはなくなった。また、今までは胸と腋の下の痛みが特にひどかったが、それが軽減したせいか、背中の痛み(ひどい痛みではない)の方が気になるようになった。

【考察】

  水ぼうそう(水痘)と帯状疱疹は、いずれも水痘帯状疱疹ウイルスが起こす病気です。水痘帯状疱疹ウイルスの初回感染では水ぼうそうになり、何年もたってからウイルスが再び出現した場合には帯状疱疹になります(メルクマニュアル家庭版ウェブサイトより)。

  クライアントは帯状疱疹が発症する少し前に、胃の外科的治療を受けていました。そのような体力の低下したとき免疫力が低下して、帯状疱疹が発症したのではないでしょうか。
  また、治療を続けているうちに、痛みの部位が段々と身体の中心に移動していくことがありますが、これは神経痛が改善する過程でみられるものですから心配はいりません。

  背骨を調整することで神経の流れを正常にするカイロプラクティックは、身体の免疫系にもよい影響があります。また、背骨の動きが正常なときにもたらされる感覚神経からの信号は痛みを伝える神経を抑制するはたらきがあります。