知ってください、サブラクセーション

カイロプラクティックは何をする?

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 カイロプラクティックというと、筋肉を緩めるために背骨を矯正する療法だと思っている人もいるようですが、実はそうではないのです。
「治れば何だっていいじゃない」

  そんな声が聞こえてきそうですが、そう言わずに少しお付き合いください。

 さて、おっしゃるとおり、背骨を矯正すると緊張している筋肉を緩める効果はたしかにあります。けれども、背骨の矯正の目的は本来それではないのです。

◆では、何を目的にしているのでしょうか?

 「サブラクセーション」というものを矯正しているのです。サブラクセーションという用語は、整形外科では「亜脱臼」を意味しますが、それとは全く別なものです。混同を避けるために「カイロプラクティック・サブラクセーション」と呼ぶこともあるのですが、ここでは慣例的にサブラクセーションと呼ぶことにします。

◆サブラクセーションとは何ですか?

 自然治癒力、または、それよりも広い意味ではホメオスタシス(恒常性)、を妨げている背骨のズレのことです。 もう少し細かくいいますと、ホメオスタシス(恒常性)が正常にはたらくために不可欠な神経の伝達を邪魔している背骨のズレです。言い方を換えると、背骨のズレは神経の流れを乱すことがあるのです。

◆サブラクセーションがあるとどうなりますか?

 ホメオスタシス(恒常性)という言葉は「傷口が治った」、というような自然治癒力よりも広い意味でつかわれます。外気に対する血圧の調節、体温の調節、免疫機構などなど。
 ですから、ホメオスタシス(恒常性)を妨げるものであるサブラクセーションは、身体の広範囲に悪い影響を与えていることになります。 たまたま、症状として現れているのが、(例えば)腰痛だということです。また同じ理由で、何も症状がないからといって、サブラクセーションがないとは限りません。

 健康が即座に環境に対応する能力のうえにあるものと考えると、サブラクセーションはすぐに矯正して取り除かれるべきものなのです。

◆元気になったから症状がよくなった。

  サブラクセーションはからだにとって好ましくないものですが、反面、それが矯正されればからだの広範囲に良い影響が期待できるということです。
 たとえば、からだの痛みは痛み止めや電気をあてる事で治まることもあります。血圧だって薬で下げることができます。 どちらがいいのかを言いたい訳ではないのですが、ホメオスタシス(恒常性)が回復して治ったということは、自力で治ったということです。

「症状がよくなったから元気になった」ではなく、「元気になったから症状がよくなった」とは言えるのではないでしょうか。

◆からだの声に耳を傾ける。

  自然治癒力やホメオスタシス(恒常性)をもう少し広げて解釈すると、ホメオスタシスを磨くことは、勘を磨くということに繋がらないでしょうか。私たちは「五感を研ぎ澄ます」なんて言い方をするときがありますが、第六感、いわゆる「勘」、「気づき」というものは正常な感覚入力により養われるものだと思うのです。
 からだを壊す人は、自分がからだを壊していることに気付かないからからだを壊すのではないでしょうか。自分の体の不調に気付かないことは、広い意味では、自然治癒力が低下しているということです。

 養生訓で知られる江戸時代の儒家、貝原益軒は食養生の中で、本当にからだが欲しがるものをたべること、そして、上等な物でもからだが欲しがらなければ食べないほうがいいと言っています。 もちろん、それは暴飲暴食してもよいということではなく、己の人生の目的を全うするために大切な身体を慈しむといった養生訓の精神に則ったものでなければいけません。 そしてそれは食べ物に限ったことではないようです。

◆サブラクセーションは原因でもあり結果でもあります。

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 カイロプラクティックの創始者であるD.D.パーマーは、サブラクセーションは結果であるといっています。
 サブラクセーションは外傷(これは姿勢の悪さなどの慢性的な外傷も含まれます)、食べ物の中に含まれる毒物(または、体に合う合わないなど)、そして感情、はては自己暗示を要因に生じます。 ですからサブラクセーションは、いわゆるからだの履歴であり、その人にとってとても特別なものなのです。

 サブラクセーションを矯正することで、症状が改善するだけでなく、"からだの声"に気づくことのできる勘のようなものが養えるようになったら、それはとても素晴らしいことだと思います。あなたのからだもきっとそれに応えてくれるはずですから。

D. D. Palmer (1844-1914)


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