股関節

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 股関節は体幹の重量を支えると同時に、歩行時は地面からの衝撃も受けています。 太くて強力な股関節の筋肉の過剰な収縮は、股関節に過剰な圧迫負荷を生じさせます。
股関節は、身体の中でも退行性変性(変形性関節症)を起こしやすい部分のひとつです。
 股関節の痛みは脚に体重を乗せたときや、あぐらをかいたときなど、鼡径部周辺の痛みとして自覚されます。



~ 左右の仙腸骨関節、及び股関節は閉じた運動連鎖の関係にあります ~

 股関節は大腿骨と寛骨とで構成された関節です。寛骨は後方部分では仙骨と連結して仙腸関節を構成します。左右の寛骨は骨盤前方の恥骨で軟骨結合しています。
 ちなみに『骨盤』は、仙骨、第5腰椎、尾骨、そして左右の寛骨で構成される骨格部分の総称です。また、寛骨は腸骨、坐骨、恥骨が合わさったもののことを言います。

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 股関節と骨盤は、片方の関節の動きがもう片方の関節運動に影響を及ぼす環状構造、すなわち「閉じた運動連鎖」の関係にあることが分かります。 たとえば、片方の仙腸関節が捻れたとすると、もう片方の仙腸関節では反対方向への代償的な捻れが生じています。寛骨と関節面をつくる股関節も当然、その捻れによる影響を受けることになります。

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~ 運動連鎖がスムーズに行われることが大切です ~

 このような運動連鎖によって起こる代償運動、言うなれば“歪み”は必ずしも身体にとって好ましくないものではなく、むしろ股関節にかかる衝撃を分散する緩衝システムとして解釈することができます。
 『骨盤』の各関節が正常に機能しないことは(歪んだ状態で固まるなど)、股関節の問題を引き起こす要因の一つと言うことができます。
 ベルワンカイロでは、股関節の問題に対しては、骨盤の関節の機能を中心にみていきますが、身体の回復に必要な神経のはたらきにも注意しながら、脊柱全体の調整を行っています。




症例:大腿骨頚部骨折治癒後の股関節痛

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【臨床的特長】

 30代の男性が、股関節の痛みを訴えている。立つことや歩くこと、股関節に体重のかかる姿勢を続けていると股関節の周りが鈍く痛みだしてくる。股関節の動きが正常な側と比べると著しく硬いため、足に力を入れても十分に動かすことができない。どのような日常生活の動作であっても非常に困難である。
  3年前、遊戯中に転倒したとき、大腿骨を地面に打ち付けてしまい、大腿骨頚部(付け根)を骨折した。骨折自体は完治したのだが、十分なリハビリテーョンは受けないままでいた。

【介入と結果】

 クライアントは不自由そうに片足を引きずりながら歩いている。股関節の可動域は著しく制限されており、関節包パターンに沿った硬さを示していた。
  クライアントは、1回目の施術直後に股関節が非常に軽くなったことをドクターに伝えた。計4回の施術を終えた時点で、歩行をはじめ、日常生活動作での痛みは気にならない程に改善した。

【考察】

 関節は適度に動かさないでいると、周りの関節包や靭帯、筋肉などの柔軟性が低下していきます。骨折治療のときのギブスなどによる長期の固定、安静の後は、関節可動域の改善のためのリハビリテーョンを受けることが必要です。 クライアントは骨折治癒後に適切なリハビリテーョンを受けないままでいたため、いわゆるこわばりのような痛みが続いたのだと思います。
  クライアントは、骨折が治ったのに何故いつまでも痛いのかが分からず、股関節を動かすことにも不安を感じているようでした。このようなときは、現在の痛みが何のために起こっているのか説明することが重要になってきます。

 今回、順調に改善していったのは、クライアントが痛みを理解し、前向きになることで積極的に自宅でのエクササイズを行うことができたためだと思います。