手の腱鞘炎

 腱鞘炎は、手の使い過ぎが原因で筋肉が疲労したとき、やがて腱にも負担がかかるようになり、腱が炎症を繰り返しながら段々と肥厚することで起こります。太くなった腱は、そのトンネルである腱鞘をスムーズに通り抜けることができなくなるからです。
 手を使い過ぎた後は、自分で筋肉の部分を優しくほぐしておくことも助けになります。損傷した組織が修復するには、脊柱のバランスを整え、手首に向かう血流や神経の伝達を良好な状態にすることが大切です。
 手の腱鞘炎は施術に良く反応し、自己管理もしやすいので腰痛や肩こりなど主訴の“ついで”に申し出ると良いでしょう。


症例:親指の腱鞘炎

~手首を返すときの痛み~


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【臨床的特長】

 50代女性が親指のつけ根あたりの痛みを訴えている。 日常生活のなにげない動作であっても鋭い痛みが局所に走ることがあり、前腕には疼くような違和感をいつも感じている。 飼っている小型犬を片手で抱え上げる動作を、今までに何度も繰り返しており、その度にだんだんと痛みがひどくなっていった。
 痛くなるたびに医療機関で痛み止めの注射をしてもらうが、あまり改善がみられない。このままよくならなければ手術も必要かもしれないと言われている。

【介入と結果】

  親指のつけ根の手首には浮腫が認められ、前腕の筋肉には顕著な圧痛と硬さを確認することができた。親指を握りこんだまま手首を曲げることで強い痛みを誘発できることからも、腱鞘炎が疑われた。
  1回目の施術の翌日に痛みが強くでることがあったが、その後は良好であった。その後、痛みは完全に消失し18ヶ月経過した現在も再発していない。

【考察】

  このような、親指の腱鞘炎はde Quervain's症候群とよばれており、男性よりも女性に多くみられます。
原因はさまざまで、手首に負担のかかるスポーツだけでなく、料理や編み物といった日常生活の動作が繰り返されることで、腱とそれが通り抜ける鞘である腱鞘の周囲に炎症が起こることでなります。
  背骨の調整は再発防止にも効果があります。バランスのとれた背骨は、自然と手や腕に負担のかからない姿勢で作業することを助けてくれるからです。