肩の痛み/肩の障害

肩や肩甲骨に広がる痛みについて

 肩や肩甲骨の周りに広がる漠然とした不快な痛みは、頚椎の分節機能障害(ズレ・歪み)が原因で起こることがあります。痛みの発生源から遠く離れた正常な部位に感じる痛みを関連痛というのですが、ヘルニアなどで神経が圧迫されて起こる神経痛とは違います。

たとえ医療機関で頚椎ヘルニアと診断されたとしても、神経痛に加えて関連痛が並行して起こっていることも考えられますから、痛みの発生源を正しく鑑別することは大切なことなのです。

 関連痛は、それぞれの組織(ここでは、頚椎、肩、肩甲骨)からのそれぞれの感覚神経が脊髄で合流して一緒くたになり脳に向かうため、脳が本当の痛みの部位を判断できないで起こる現象とされています。関連痛を起こしている部位(ここでは肩、肩甲骨)は、たとえその部位に異常がなくても、触れると実際に痛みを感じ、また、揉みほぐすと楽になると感じることがあります。

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揉んでもすぐにぶり返す肩への不快症状は、頚椎からの痛みの放散が考えられます

 肩への痛みは、肩そのものが痛みの発生源ということももちろんあるのですが、そのようなときは、どちらかというと限局した痛みであることが多いように思います。
 肩を揉みほぐしてもすぐにぶり返す漠然とした肩への不快症状は、頚椎からの関連痛が考えられます。肩や肩甲骨周りだけでなく、頚椎も含めたカイロプラクティックのケアは、きっと良い結果に繋がるはずです。



症例:腕を挙上したときの肩の痛み

【臨床的特徴】

 50代男性。約1年前から右肩に痛みを感じている。痛みは肩関節を挙上したときに右肩関節の前面やや外側部分に現れる。

【介入と結果】

 右肩関節は自動/他動運動共に約60°の外転角度で痛みを誘発した。胸椎柔軟性の低下が顕著であった。頚椎脊椎分節には可動制限(ズレ)が確認できた。
施術は右肩関節と脊柱全体に対して行われた。施術後、右肩関節挙上での痛みは消失した。

【考察】

 肩甲骨から上腕骨に付着して肩関節の外転に作用する棘上筋は、肩甲骨の肩峰と呼ばれる部分と上腕骨の間で圧迫されることがあります。これにより起こる肩関節周囲の痛みを「インピンジメント症候群」と呼びますが、水泳やテニス、野球など肩関節の挙上を繰り返すスポーツでは、肩峰下の軟部組織に繰り返しのストレスが加わるために起こりやすいと言われています。 クライアントは現在はゴルフ、以前にはバドミントンや剣道を熱心に行っていました。


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 カイロプラクティックでは、症状がたとえ上肢であっても脊柱を中心に考えケアして行きます。 頚椎のズレは上肢に向かう神経を圧迫して上肢への異常感覚や筋緊張の異常を引き起こします。また、肩関節の運動は胸椎との協調運動ですから、柔軟性の不足した胸椎では正常な肩関節の運動パターンを発生させることが出来ず、肩に負担がかかりやすいです。 脊柱の土台である骨盤の調整も欠かすことはできません。