坐骨滑液包炎

椅子に座るとき、しゃがんだとき、歩くときに起こる殿部の痛み

【臨床的特徴】

 40代男性が左坐骨の痛みを訴えている。椅子に座るとき、歩いていて足を踏み出す時、腰を下ろしてしゃがむ動作などで坐骨の部分に痛みが起こる。仕事では足場の狭い所で立ったりしゃがむ動作を繰り返すことが多いため困難している。


【介入と結果】

 軽い押圧で坐骨結節に強い痛みが生じる。椎間板ヘルニアなどで起こる坐骨神経痛の検査は陰性であった。仙腸関節に可動域の異常が確認できた。
 施術は仙腸関節に対して行われた。施術の翌日はまだ痛みはあったが、その翌日には痛みはほとんど消失し、椅子に座ることも、しゃがむ動作も無理なく行うことが出来るようになった。


【考察】

 筋腱とそれが付着する骨との間には滑液包と呼ばれる液体の入った平らな袋があり、その部分にかかる摩擦や衝撃を和らげています。繰り返される筋肉の酷使などで継続したストレスが滑液包に加わると炎症を起こし殿部の下の方(坐骨)に限局した痛みを引き起こすことがあります(殿部の痛みは、坐骨神経痛や仙腸関節、筋肉からの関連痛でも起こりますから、原因部位の鑑別は重要です)。
 股関節の筋肉は骨盤から始まっており、仙腸関節のズレや可動域の減少は良好な筋肉の機能を妨げることがあります。仙腸関節の可動性を改善し、その後はストレッチなどで筋肉の柔軟性を回復することが必要です。



   img_10