知覚異常性大腿痛

大腿外側の痺れを伴う腰痛

【臨床的特徴】

 60代男性。腰仙部の鈍痛と大腿外側の痺れ。腰痛は数年来の慢性的なものであるが、今までに「ぎっくり腰」は何度か経験している。しばしば"グキッ"とするような、ぎっくり腰の予兆のようなものがあるので心配になる。寝返をしても痛い。大腿外側の痺れは、それほど辛い性質のものではない。

【介入と結果】

 クライアントは腹部の脂肪が多く、お腹を前に突き出した姿勢をしている。胸椎後弯と腰椎前弯の大きいタイプの姿勢である。
 施術は腰椎骨盤を中心に行われた。3回までの施術で日常生活での腰痛は、ほとんど感じることが無くなり、寝返りでも痛むことは無くなった。大腿外側の痺れは消失している。

【考察】

 腹部の脂肪の量が多いと、お腹を前に突き出したような姿勢になるので、腰椎前弯が大きくなりやすく、腰仙部に大きな力学的ストレスがかかるようになります。立位では、傍脊柱筋が継続して過緊張状態に置かれるため、臥位になっても体が休まらないことが多いです。

 また、この症例では大腿外側の痺れの訴えもありますが、これは大腿外側の皮膚知覚を支配する外側大腿皮神経の機能異常が疑われます。外側大腿皮神経は、その名のとおり大腿外側の皮膚知覚を支配していますが、鼠径靭帯の下を通り抜けるとき圧迫されることがあります。このような状態は「知覚異常性大腿痛」と呼ばれていますが、お腹の脂肪が多い人、妊婦さんなどは、その大きなお腹が鼠径部での圧迫を強めるため発症しやすいと言われています(Mayo Clinicウェブサイトより)。



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【症例2:大腿外側の痺れと骨盤の痛み】

【臨床的特徴】

 50代男性が2年前からの右大腿外側の痺れを訴えている。

【介入と結果】

 股関節周囲の筋肉の柔軟性の低下が顕著であった。仙腸関節の機能障害(ズレ)が確認できた。 施術は仙腸関節を中心に脊柱全体に行われた。施術後、右大腿の痺れは軽減した。2回目の来院ではクライアントは日常生活で大腿の痺れは、ほとんど消失していることを告げた。

【考察】

 先の症例のように、大腿外側の皮膚感覚を支配する外側大腿皮神経の圧迫は、大腿外側の痺れを引き起こします。クライアントは、大腿外側の痺れの他に骨盤の痛みも訴えていましたが、いずれも仙腸関節の機能障害が原因であるとカイロプラクティックでは考えます。
 仙腸関節の機能障害を繰り返さないためにも、股関節周囲の筋肉の柔軟性を保つようにストレッチするなどの自己管理も大切です。