頭痛

 片頭痛や群発頭痛は時として鎮痛剤に頼らなければならないほど耐えがたい性質のものですが、最近では鎮痛剤の過度の使用により痛みの神経が過敏になり、以前にも増して頭痛の頻度や強さなどの症状が悪化する「薬物乱用頭痛」の存在がよく知られるようになりました。

 頭痛は発作が起きてから対症するよりも、発作が起きる前の予防ケアがより大切であるといえるでしょう。
 頭痛という生命現象は、身体が頭痛をつくり出す状態にあるから起こるのです。いわゆる背骨のズレは神経の伝達を障害して頭痛の原因になります。カイロプラクティックは頭痛を“やっつける”のではなく、頭痛をつくり出さない脊柱の健康を目標にします。
身体が疲弊した発作時よりも、回復力に余力のある平常時に定期的に受けることをお勧めします。

 片頭痛では、発作を起こす月の回数や時間の長さ、痛みの強さが随分と少なくなることがよく見られます。筋肉からの放散痛である緊張型頭痛は、脊柱の力学的異常(姿勢の乱れ)が占める割合が大きいですから自己管理もしやすいはずです。後頭部がチクチクするような不快感のある「後頭下神経痛」は後頭下の筋肉に神経が圧迫されることで起こります。こちらも力学的要素の大きい頭痛といえます。



脈打つこめかみの頭痛

片頭痛

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【臨床的特徴】

 30代の女性が17歳の頃より繰り返す片頭痛を訴えている。頭痛は両側側頭部に脈打つようなもので、決まって夕方や休日に発作的に起こる。それが6~7時間も続き、ひどいときには嘔吐を伴う。頭痛は月に4~5回あり、一度はじまるとどのような体位でいても楽にならないため、頭痛薬で対症することが多い。

【介入と結果】

 クライアントは骨盤帯・胸椎・頚椎への施術を受けた。3~4回の施術で片頭痛は、痛みの強さこそあまり変わりないが、頭痛の頻度は月に1回と軽減するようになった。その後はメンテナンスとしての定期的なケアを続け、頭痛は起こらない月もあるようになり、あっても薬を飲まなくても済むことが増えた。

【考察】

 片頭痛のメカニズムはまだよく分かっていませんが、脳幹にある三叉神経の核が何らかの刺激を受けて血管の拡張を誘発し、そこに分布する三叉神経を刺激するために片頭痛が起こるとされています。
 この症例では、日中の活動時に交感神経の緊張によって収縮していた血管が、仕事が終える夕方や仕事のない休日のリラックス状態のときに、急激に副交感神経に切り替わり、血管の過剰な拡張が起こり片頭痛が起こったものと考えられます。また、片頭痛に伴う嘔吐は、同じ脳幹に嘔吐中枢があるためと考えられています。

 部分的には、頚髄は三叉神経の核と近い部分にあることからも、カイロプラクティックによる頚椎への施術は三叉神経の活動に影響を与えることも考えられますが、全体的にみれば、背骨全体の調整をすることにより、全身的な神経系のはたらきが正常になり、交感神経と副交感神経のスイッチオンとスイッチオフがスムーズに切り替わることで良い結果に繋がったのだと思います。