五十肩

◇五十肩とは

 五十肩、または四十肩は40~50歳代に好発する肩関節周囲での疼痛性障害の通称です。
そこに含まれるものとして、棘上筋腱のインピンジメント症候群、滑液包炎、石灰性腱炎、そして凍結肩などがよく知られています。


◇棘上筋インピンジメント症候群


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 インピンジメント症候群は、肩関節回旋腱板のひとつである棘上筋が上腕骨と肩甲骨の間の狭いスペースで挟み込まれることで起こります。

 真横から50~130°の角度でバンザイしたときに痛みがあり、その角度を超えると痛みが消えるのが特徴です。





◇滑液包炎

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 滑液包炎は、肩関節の摩擦を軽減する滑液包の炎症です。肩の前側面を指で触れたとき、鋭い痛みが生じることで確認できます。
  インピンジメント症候群と滑液包炎は、いずれも肩関節にかかる過度のストレスにより起こることが知られており、肩関節の使い過ぎや、不良姿勢による肩甲帯の正常なアライメントからの逸脱が要因にあげられます。




◇石灰性腱炎

 石灰性腱炎は、棘上筋の腱が付着する部分に石灰が沈着することで起こります。腕を動かしたときの"引っかかり"や急性期においては、安静にしていても痛みが軽減しないことが特徴です。石灰性腱炎は、インピンジメント症候群や滑液包炎を背景に発症すると考えられています。





◇凍結肩

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 凍結肩は、関節を包み込むコラーゲン線維でできた関節包が癒着することで起こります。
  痛みのためだけでなく、物理的にすべての方向における肩関節の可動域が制限されるため、髪をとかす、シャツをズボンに入れる、扉の開け閉め、などの日常生活の動作が大きく損なわれます。

 凍結肩は、糖尿病や免疫系の異常などとの関連性が疑われていますが、肩関節をあまり動かさないでいることも関節包の癒着を引き起こします。先に述べた、「インピンジメント症候群」、「滑液包炎」、「石灰性関節炎」は凍結肩に移行する可能性があります。



 肩関節の不使用は、肩関節周囲の筋肉の萎縮を招きます。そして筋肉の廃用萎縮は、肩関節の運動機能をますます低下させていくことになります。
凍結肩は、一定の周期で自然緩解することはよく知られていますが、その多くは肩関節の機能障害を残すことが知られています。
痛みのない範囲で、肩関節を自動的、他動的に動かすことは、肩関節運動機能低下の防止、及びその機能の回復には大切なことです。



◇カイロプラクティックのケア

 肩関節の運動は、上腕と肩甲骨での肩甲上腕関節、鎖骨と肩甲骨の肩鎖関節、そして胸郭と肩甲骨での肩甲胸郭関節で起こる言わば全身運動です。

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・柔軟な背骨は、肩関節のスムーズな運動に欠かすことができません。

・正しい姿勢は、肩関節に向かう神経の伝達、血液の流れを妨げません。

・そして、損傷した組織の修復に必要な自律神経の活動は、柔軟な背骨の運動に依存しています。



 五十肩へのケアは、肩関節への直接的な施術も必要ですが、背骨の柔軟性と神経の流れを好ましい状態にすることで、からだの持つ自己修復能力が十分に発揮できる環境をつくることが大切です。

 *また、肩への痛みは頚椎からの痛みの放散(≫関連痛) が重複していることもありますから、やはり、脊柱全体のケアはとても大切です。



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